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アルコール依存症と鬱病

こんにちは。揖斐郡池田町の訪問看護ステーションくついです。池田町、揖斐川町、大野町、神戸町、垂井町、大垣市、本巣市、岐阜市に訪問させていただきます。精神科訪問看護に力を入れていきます。

アルコール依存症と鬱は関係性が高く、それぞれの疾患を併発している方が少なくありません。

しかしなぜ、アルコール依存症と鬱は合併しやすいと言われているのでしょうか?

今回はアルコール依存症と鬱が合併する原因のパターンから、適切な治療方法・相談できる自助グループなどについて述べていきます。

アルコール依存症と診断されたことがある方を調査した結果、うつ病もしくは躁うつ病を高い割合で合併していることが分かりました。

その危険性はアルコール依存症でない方と比べると、3.9~6.3倍も高くなっています。酒は百薬の長ともいわれる通り、一定量であればメリットのある飲み物です。しかし、飲む量をコントロールする自制心も必要になります。アルコール依存症に陥ると、症状を軽減することはできても完治はできないので注意してください。

うつ病患者がアルコール依存症に陥る危険性はうつ病でない方と比べると3倍ほど高いリスクがあることが分かります。

この結果は、うつ病を発症している時の飲酒がとても危険なことを示しています。また、アルコールには薬の作用を強くする効果があります。

そのため、薬を摂取している期間は禁酒したほうが良いです。長期間の禁酒が難しい場合には、医師に相談しアルコール依存症との同時の治療が必要です。

1つ目の原因は、発病する原因が同じなため結果として合併したケースです。共通の原因とはストレスや性格、遺伝因子などになります。

治療を進めていくことも大切ですが、原因を突き止めて対処しなくては再発のリスクがあります。例えば職場でのストレスが原因であれば、部署や職場自体を変えるなどです。

また、性格が原因であれば考え方や物事の捉え方を変えていくことが大切になります。基本的な治療法と共に、原因ごとの対処法も学びましょう。

アルコール依存症は、強い飲酒欲求とアルコールが身体から抜ける際に起こる離脱症状があります。

離脱症状は手の震えや異常な発汗、不眠やイライラするなど身体・精神どちらにも表れます。その精神面に現れる離脱症状の1つがうつ病です。

短期間であれば気分の落ち込みややる気の低下などは、それほど問題ではありません。ただし、アルコール依存症が長引き離脱症状も長期間に及ぶとうつ病を発症します。

うつ病の症状を改善するために飲酒をしてしまって、アルコール依存症に陥るケースです。例えば「不眠」に対して、眠れるように寝酒としてアルコールを摂取する。または、気分の落ち込んでいる時に、気分を上げるために過度な飲酒をしてしまうなどです。

適度に量を守り、休肝日を作るなど自分でルールを守り飲酒できるのであれば、アルコール依存症に陥るリスクは低下します。

しかし、うつ病を患い精神が弱っている状態でアルコールをコントロールするのは、とても難しいのが現実です。

薬とアルコールは相性が良くありません。これは、精神疾患の治療薬の他に、風邪薬や鎮痛薬など市販されている薬も同じです。

なぜなら、薬の作用を強くするだけでなく、副作用を起こしやすくするリスクも抱えているからです。

薬は基本的にアルコールが体内で分解されてから服用してください。ただし、酔いが冷めたからアルコールが分解されたわけではありません。

摂取した量や体質に合わせた時間が必要です。できれば、1日の中で複数回薬を服用するのなら、服用する期間は禁酒したほうが良いです。

アルコールを摂取すると寝付きが良くなると感じている方もいるかもしれませんが、長期的にみるとアルコールは睡眠の質を低下させています。

睡眠が浅くなり、夜中に目覚めたり早朝に目覚めトータルの睡眠時間が短くなってしまうのです。また、再度眠ろうとしても覚醒してしまい、眠気が訪れないこともあります。

眠りたいからアルコールを摂取するのではなく、眠りたいのならアルコールをとらないことが大切です。

自殺した人の遺体からアルコールが検出されるのは、珍しいことではありません。アルコールは自身に対する攻撃性を高め、衝動的な行動を取りやすくするリスクを高めます。

ギリギリのところで踏みとどまっていた方の、ブレーキを外してしまう可能性がアルコールにあります。

アルコールは確かに良い面もあります。しかし、うつ病やうつ病でなくても心が弱っている状態で、摂取して良いものではないということを覚えておいてください。

1回や2回、たまにはお酒を飲まずにはいられないという気分になることもあります。また、実際に多量の飲酒をしてしまうこともあると思います。

しかし、お酒を飲まずにはいられない状態が長期に続くのであれば危険な兆候です。少しの間は我慢することもできますが、ストレスは着実に溜まります。強いストレスが溜まると、うつ病など別の病気を発病することもあるので注意が必要です。病的なまでに強い欲求を感じるのであれば、一度相談してみてください。

人はきれいな物を見たり趣味に没頭するなど、さまざまなことに対して喜びを感じます。それがお酒を飲んでいる間だけしか気分の上昇を感じないのであれば問題です。

今まで好きだったものに対しての関心がなくなり、お酒に強い興味がわいている状態は決して良くはありません。

趣味に当てていた時間を飲酒する時間にするなど、飲酒に当てる時間が増えている方も注意してください。

飲酒する時間が増えたと感じている方も、一度専門医に相談することをおすすめします。

アルコールを摂取して気分が上がることは一般的な酔い方です。しかし、飲むのを止めると激しく気分が落ち込む方は注意してください。

もちろん、悪酔いして周囲に迷惑をかけたから、酔いが醒めると憂鬱になる。二日酔いで体調が悪くて、飲酒を後悔することは誰にでもあります。

それとは別に、特に理由は無くても気分が著しく落ち込む方などが問題です。落ち込みを無くすために、さらに飲酒を続けてしまうことにもつながります。

相談場所として精神保健福祉センター、保健所、自助グループ、精神科訪問看護があります。

精神保健福祉センターは、各都道府県にある施設です。こころの健康センターと称している施設もあります。

ここではアルコール依存症関連の情報を得ることができ、健康相談を受け付ける相談窓口も設けています。地域の医療機関の情報も得られるので、どの医療機関を受診したらよいのかわからない時などに活用してみてください。

施設によっては集団治療回復プログラムや家族会など、患者やその家族が話し合う場を設けています。

保健所は、管轄の地域の保健衛生など多方面な分野を管理する行政機関です。アルコール問題についても相談を受け付けています。

電話でも受け付けているので、対面での相談が難しい方にもおすすめです。また、相談は必ずしも本人でなくても構いません。家族が相談しても大丈夫です。

行政機関として、地域の様々な施設や警察などの他の行政機関とも連携を行うことができます。各都道府県に必ず1つはあるので、お住まいの地域にも必ず設置されています。

自助グループはある障害や依存症を抱える人たちが、互いに支えあい励ましあいながら克服していくグループのことです。

ここではアルコール依存症の自助グループを紹介していきます。断酒会やAAなどの大きなグループもありますが、地域に密着した活動を行う小さなグループもあります。ほとんどのグループで、本人だけでなく家族を対象にした家族会が行われます。アルコール依存症からの克服には、本人の努力だけでなく家族の支えもとても大切です。

精神科訪問看護は、精神疾患を患った方に対して訪問看護を行います。自宅に伺うスタッフは、精神疾患に対して専門の知識や豊富な経験を持っています。サポート内容は多方面にわたり、利用者が日常生活の自立や社会復帰できるように支える役割があるサービスです。原則としては週に3日以内の訪問ですが、医師が必要と判断することで4日以上の訪問も可能になります。年齢による制限もなく、幼少期から年配の方まで利用できます。

アルコール依存症に対しての看護は、正しいアルコール依存症に対する知識を利用者とスタッフ両方が持つことから始まります。

また、長期にわたる看護が必要となるため、信頼関係と治療環境も重要です。規則正しい生活を送れるように、環境を整えることも看護の仕事になります。

断酒は動機付けや、断酒の3本柱である抗酒剤・通院・自助グループも大切です。これらの大切さを理解してもらうように、都度適切な指導も必要となってきます。

うつ病とアルコール依存症は合併しやすい病気です。2つの病気を治療するためには、長い時間が必要になるので、早めに相談し適切な治療を始めることが大切になります。

訪問看護ステーションくついでは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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