サヴァン症候群

こんにちは。揖斐郡池田町の訪問看護ステーションくついです。池田町、揖斐川町、大野町、神戸町、垂井町、大垣市、本巣市、岐阜市に訪問させていただきます。精神科訪問看護に力を入れていきます。

サヴァン症候群とは、知的障害や自閉症スペクトラムなどの重い障害を持ちながら、ある特定の分野で脅威的な能力を発揮する人たちのことです。

今回は、サヴァン症候群の能力や事例、どのようなきっかけでこのような能力が目覚めてしまうのかについて述べていきます。

サヴァン症候群とは精神障害や知的障害を持ちながら、ある特定の分野に突出した能力を発揮する人や症状のことを言います。

ここでいう精神障害や知的障害は、比較的重度であり1人で日常生活を送ることが難しい方の場合が多いことも特徴です。

記憶・音楽・計算など分野は人それぞれ様々ですが、一般の人にはないような突出した能力があります。

サヴァン症候群は男性に多いとされており、特に自閉スペクトラム症の方に多く見られます。

サヴァン症候群は有能サヴァンと天才サヴァンの2つに分類されます。

有能サヴァンとはサヴァン症候群の中でも多く、自閉スペクトラム症の方のうちの10人に1人は有能サヴァンであると言われています。

音楽や美術など特定の分野で本人の知的能力を超えるほどの突出した能力があることが特徴です。

一瞬で大量の物事を記憶したり、一度聞いただけでピアノが弾けたりなど、常人にはできないことができます。

ここでいう突出したというのは世間的にという意味ではなく、本人の中で他よりも飛び抜けて優れているという意味です。

天才サヴァンとは、ある特定の分野で世間的に見ても突出して優れた才能を発揮することです。

これは本人の知的能力を超えたその能力が、世間的に見ても高い評価を得られるレベルにある状態を指します。

サヴァン症候群というのは能力がアンバランスという意味をもちますが、天才サヴァンは高く評価されアーティストに多いのも特徴です。

天才サヴァンは極めて稀であり、世界全体でも発見された数は100人に満たないと言われています。

サヴァン症候群の人の持つ能力の1つ目は記憶力や再現能力が高いというものです。普通の人では覚えきれない量のものでも一瞬で覚えてしまうような力があります。

例えば、1回しか読んでいない本の内容を記憶し、指定した人物のセリフを復唱できる場合もあります。

1度しか見たことがない地図を何も見ない状態で複写できるというパターンも比較的よく見られます。

人によって記憶できる範囲や量などは異なりますが、本人の普段の知的能力と比べると飛躍的に高い能力であると言えます。

2つ目は数学的能力が高いというものです。特に計算に関する能力に長けている方が多くいます。

例えば、生年月日を聞いただけで計算を用いてその日が何曜日か当てられることもあります。

バラバラに並べられたたくさんの数字のカードを瞬時に指定された方法で計算することも可能です。

頭の中にその人の計算の仕方が存在し、短い時間で大量だったり複雑な計算ができることが特徴です。

3つ目は音楽的能力が高いというものです。ピアノやバイオリンなどを演奏する場合もあれば、作詞作曲の場合もあります。

サヴァン症候群の中でも多いとされているのが、音楽的能力である絶対音感を持っている方です。

絶対音感は幼少期から特別な訓練を受けて身につける場合がほとんどですが、サヴァン症候群の方は生まれつき持っている場合がほとんどです。

1度しか聞いたことない曲をピアノで弾けたり、楽器がなくても頭の中で考え作曲ができたりします。

サヴァン症候群の能力を持つきっかけの1つ目は先天性のものです。生まれつき脳に欠損や障害があった場合、サヴァン症候群になりやすくなります。

そのためサヴァン症候群は知的障害を持つ方が多く、中でも自閉スペクトラム症の方に多いのです。

知的障害は言語や知能に遅れや障害が出る場合がほとんどですが、特定の分野に飛び抜けた才能を発揮する方が多いのです。

また、知的障害を持っている方は集中力が高く、その集中力が能力を発揮する際に効果的とも言われています。

2つ目は外傷や病気などによる後天性のものです。これは通常の生活を送っていた人が突然サヴァン症候群を発症する場合です。

サヴァン症候群は事故などで脳へ強い刺激が加わることで発症のきっかけとなると言われています。

また、衝撃だけではなく脳内に腫瘍ができた場合などもサヴァン症候群になる可能性はあります。

なんらかの刺激を受けることで突然ずば抜けた才能が目を覚ますことがあるのもサヴァン症候群の特徴です。

知的障害とは、出生時や乳幼児の段階から知能の働きが明らかに標準以下である場合のことを言います。

正常な日常生活動作が限られてしまう状態であり、周りの人のサポートや介助が必要です。

知的障害は遺伝的なものの場合と、脳の発達に影響を与える病気の結果としてなる場合と2つのパターンがあります。

知能の働きは通常よりも限られてしまいますが、集中力が高いという特徴があります。

自閉スペクトラム症とは、正常な社会的関係を構築することができない人のことを言います。

言葉の使い方に異常が見られる、もしくは言葉を全く使おうとしないことが特徴です。

強迫的な行動や儀式的な行動が見られることが多いのも自閉スペクトラム症の特徴と言えます。

他者とコミュニケーションを取ったり関係を持ったりすることが極端に苦手という方が多いです。

相談窓口としては子供の場合、保健センターや子育て支援センター、児童発達支援事業者など相談窓口は豊富にあります。

まだ言葉が出てきていないような小さな子の場合、すぐに知的障害などの有無を判断するのは難しいと思います。

その場合はまずは保健センターや子育て支援センターに行ってみるのがおすすめです。

これらの2つは障害の有無に関わらず様々な子供が通い、保健師や保育士の先生ともラフな雰囲気で話をすることができます。

大人の場合には発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センターなどに相談することができます。

大人の場合は障害の有無がはっきりわかっている場合が多いので、専門の機関に相談に行くのがスムーズです。

日常生活で困っていること、働き口の探し方など気になることを相談したりアドバイスをもらうことができます。

発達障害は自分では気付きづらい場合もあるので、他の人と違和感を感じるなど気になることを相談することも可能です。

精神科訪問看護とは、訪問看護よりもより精神疾患に特化した訪問看護を受けることができるサービスです。

看護師などの専門的な資格を持った人が行い、自宅にいながらサービスを受けることができます。

外出することが難しい方や、なるべく今までと同じように自宅で生活したいという方にとってメリットが多いのが精神科訪問看護です。

原則としては週3日までの利用となりますが、決められている条件をクリアしている方は週3日以上利用することもできます。

精神科訪問看護は単に日々の生活の手助けをしてもらえるだけではなく、目的に合わせて様々なことをサポートしてもらえます。

社会復帰を目標としている方にはそれを見据えた支援や、就職活動に関する情報提供なども受けることが可能です。

人それぞれ受けたい看護の形は様々なので、それにより柔軟に応えてもらえるのが精神科訪問看護です。

自分が利用している時間は同時進行で他の利用者の方を見ることはないので、看護師達が集中できるというのもメリットの1つになっています。

手助けをするだけではなく、専門的な知識や情報を使って利用する方の様々なニーズに対応します。

家族や対人関係のサポートを受けることもでき、相談やアドバイスなども受けることが可能です。

精神疾患は薬が多く処方される場合がありますが、それらを飲み忘れないよう管理してもらうこともできます。

サヴァン症候群の方が存分に能力を発揮し活かすためには、周りの人の適切なサポートが大切です。

1人で日常生活を送るのは難しいという方も多いので、専門的な知識を持った人からのサポートは日々の生活をよりスムーズにします。