軽度知的障害

こんにちは。揖斐郡池田町の訪問看護ステーションくついです。池田町、揖斐川町、大野町、神戸町、垂井町、大垣市、本巣市、岐阜市に訪問させていただきます。精神科訪問看護に力を入れていきます。

軽度知的障害は知的障害の中でも85%を占めるといわれていますが、障害があることに気づかれることのないまま成長してしまい、大人になって生きづらさを感じるケースも少なくありません。

そこで今回は、軽度知的障害の症状や判断基準などについて述べていきます。

軽度知的障害の方が利用できる相談窓口についても紹介しますので、軽度知的障害でお悩みの方はぜひ最後までチェックしてください。

軽度知的障害の基本的な情報を説明します。判断が難しいため、最終的には専門医の判断が必要です。

知的障害はその程度によって、4つに分類されています。軽度知的障害はその中でも、一番症状が軽い状態を指す指標です。

軽度知的障害は、平均水準よりも知的機能と適応行動がやや低いとされています。低いといっても「やや低い」です。

大きく劣ることではないため、問題が表面化しないこともあります。基本的に診断は、個別のテストを受けて判断します。

年齢ごとに受けられるテストが異なりますが、0歳から高齢者まで診断が可能です。

一般的に軽度知的障害者は、言葉が遅かったり成績が振るわなかったりします。これが、複雑な言語獲得や理解と学習の達成が困難だということです。

リンゴをリンゴと理解して話すことはできますが、愛や平和などの抽象的な事柄に対して説明が苦手なことが多くあります。

子供を育てるにあたって、成長を比べることはあまりよくありません。それでも、日常生活の中で、言葉が遅いなどの疑問が生じた時には小児科などを受診してみてください。

知的機能などが平均よりも低く学習の遅れなどがあったとしても、成長するにつれて基本的な生活を送れるだけの能力は身に付きます。

そのため、就職し自立した生活を送っている方も大勢います。また、より安定した生活を送れるように、外部から専門のサポートを受けている方もいます。

知的障害と言っても、何もできないわけではありません。何も理解していないわけではありません。

その人に合った学習方法や接し方を周囲が理解することで、できることを増やすことは可能です。

自立した生活を送れるのであれば、問題ないのでは?と思われるかもしれません。しかし、軽度でも知的障害であるため問題はあります。

知的障害は軽度であればあるほど、幼少期の発見が難しい側面があります。軽度知的障害は小学校に入学してからわかることが一般的です。

乳幼児のころは遅いながらも言葉を話せるようになるので、さほど問題が無いように感じます。意思疎通も複雑でなければ、理解することができます。

そのため、おかしいと思うことはあっても、それを知的障害と結びつけないことも多いのです。成長すると他との違いが明確になり、障害が発覚します。

前述している通り、単純な意思疎通であればそこまで問題はありません。問題は年齢を重ねるほどに増える、複雑な意思の疎通です。

スムーズに意思の疎通が取れないと、コミュニケーションも難しくなります。人間関係に溝が生まれる場合もあるので、孤立を深める結果となることもあります。

しかし、知的障害と本人も周囲も理解していれば、接し方によってカバーができる問題です。分かりやすく話すなど、接し方を改めるだけである程度のスムーズさを得られます。

自尊心の低さは、軽度知的障害の症状です。それに加えて、成長段階で周囲の同年代と比べて自分が劣っていると感じることにより、より顕著になることもあります。

依存的な傾向が強いと、他者から騙されたり犯罪に巻き込まれることも少なくありません。特に知的障害者だと、物事をしっかりと理解する力が劣っています。

そのため、知らないうちに犯罪に加担し逮捕されるなど、本人が理解していないところで不利益を被るリスクがあります。

軽度知的障害は診てすぐに分かることではありません。行動などを観察し、総合的に判断して診断を下します。

一番初めに行うのは、原因の見極めです。知的障害にはさまざまな原因がありますが、原因となる疾患を患っていることも少なくありません。

例をあげると染色体異常や先天代謝異常症などです。また、胎児のときに先天性風疹症候群を患ったため知的障害を負うこともあります。

てんかんなどの発作性疾患も原因の1つです。原因となる疾患は多岐に渡りますが、疾患が原因ではないこともあります。

日常生活の適応機能では、概念的領域、社会的領域、実用的領域の3つの領域について調べていきます。

自宅だけではなく、学校や職場での様子も確認し判断します。多方面から判断することで、機能状態の困難さをより正確に理解することが可能です。

普段感じている生きにくさなどを表面化させることで、その人に必要なサポートを明確にすることができます。最適なサポートを行う上でも、欠かせない診断です。

日本版Vineland-II適応行動尺度は、0歳から診断することができる適応行動の評価基準です。コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキル、不適応行動の5つの領域を評価し総合的に判断します。

なぜ0歳から診断できるかと言うと、同年齢の一般人の適応行動をもとにしているからです。対象を客観的に数値化することで、特性を見極めることができます。

検査は1つだけではなく、Vineland-II以外にも日本ではASA旭出式社会適応スキルなどが使用されています。対象の年齢によって行う検査法は異なります。

軽度知的障害と診断されたら、どうすればよいのでしょうか。治療の方法などを述べていきます。

残念ながら、軽度知的障害は風邪や骨折のように完治する病気ではありません。しかし、適切な治療や療育がなされた場合には、機能が向上することは分かっています。

どこまで改善するかは個人差がありますが、軽度知的障害であれば自立し社会の中で生活を送ることは可能です。

ただし、外部からのサポートを受けられるように環境を整えることが大切です。対応の仕方がわからない時には、行政機関などに相談してみてください。

療育とは障害を持つ子供に対して、それぞれ個別に問題が解決できるようにアプローチすることです。発達支援とも呼ばれています。

この療育は、早期の段階で始めることが望ましいとされています。早期からアプローチをすることで状態が安定し、行動の幅を広げることが可能です。

療育は知的障害の可能性の段階から受けることができます。そのため、心配事があるのなら小児科医などに相談し、確定する前に療育を受けさせてみるのも1つの方法です。

軽度知的障害者と接するには、正しい知識が必要です。接し方によって症状が改善することもあるので、日常生活を送る家庭も治療の場と言えます。

教育の場でも同じで、就学前から軽度知的障害が分かっているのなら学校は特別支援学級がある学校を選んでください。専門の教師が適切な対応で子供と接してくれます。

軽度知的障害を含め、子供の精神疾患は親も一緒に成長していかなくてはなりません。療育でも、親子で参加できるプログラムを用意しているところもあります。

知的障害は患者の年齢によって相談する機関が異なります。子供であれば、相談は主に児童相談所や保健所の窓口です。

大人なら各市町村にある福祉事務所などで請け負うことができます。また、大人の場合には相談の種類によって相談窓口を変えることで、より専門的なアドバイスをもらえます。

どこに相談してよいかわからない時には、保健所や精神保健福祉センターなどでより専門性の高い施設を紹介してもらうことも可能です。

知的障害は一生付き合わなくてはならない疾患です。また、軽度の場合入院などの措置はとらずに自宅で生活を送るのが一般的です。

精神科訪問看護とは、精神疾患に特化した訪問看護を行うサービスのことを言います。スタッフも精神疾患に対して豊富な経験を持つ医療従事者が担います。

利用の年齢制限はなく、利用に必要な条件は医師の判断です。また、保険が適用されるため、自己負担額も少なく抑えられます。

利用者が疾患を患いながらも、日常生活や社会復帰できるように多方面をサポートしていきます。原則として週3日以内の訪問です。

前述している通り、軽度知的障害では周囲の接し方も大切です。

そのため、利用者だけでなくその家族に対しても教育などを行います。また、家族からの相談なども請け負えるので、相談の内容によっては外部の連携機関を紹介することも可能です。

訪問看護は医師の指示書が必要なため、医師に相談しておくとスムーズな利用に繋がります。

利用者の考えに寄り添い、目標に向かい支援を行います。

訪問看護を希望する方は、まずは相談してください。患者の状態などを詳しく聞き取り、対象エリア外でも対応できるかどうかを判断します。

相談は電話やメールで受付中です。サポート内容や訪問日などの詳細は、直接利用者や家族と面談し決定します。

軽度知的障害は障害が分かりにくいため、早期発見が難しい障害でもあります。しかし、早期の療養で能力の向上や安定がみられるので、早期発見はとても重要です。

疑問が生じた時には、専門の窓口に相談することで早期の発見につながります。知的障害は完治することは無いので、一生付き合わなければなりません。

そのため、外部からの定期的にサポートを受けることで日常生活が安定します。お気軽にお問合せください。